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事業者向け 2021 年度末 節税対策ガイド

当年度は、コロナ禍の影響により業界的にまだ⾧期的に経済ダメージを受け続けている企業もあれば、政府の多大な支援策により逆に利益が例年になく残る見込みのある企業、またコロナ禍を機に新たにビジネス開拓されて売上飛躍されている会社など事業によってさまざまな動向が見受けられます。

年度末を迎え以下の通り、今年度ならではの節税対策も交えてまとめましたのでご参照くださいませ。

2021 年度の法人税レート:Corporate Tax rate 2021

年間総売上高が 50 ミリオン以下の企業は、今年度 2020/2021 年度の法人税レートは前年度より 27.5%から⇒26.0%と減少します。
また 50 ミリオン以上の企業は現行と変わらず一律 30%となります。(*Payroll tax でグループ会社として認識されるている場合はグループ会社合計の総売上高)

① まず、今年度の最新の「損益計算書」の実績内容を確認し、現時点で御社において税引前利益が(* Cash Boost の補助金収入を受けていたらそちらの収入は非課税となりますので最終利益から差し引いてください)どの程度か、前年度までの繰越損失がある場合にはその金額も把握しましょう。

★今年度利益が見込めない方も 下記③④にて将来の節税対策としてご参照下さい★

② もし税引前利益がある程度残りそうな場合は、以下の例年恒例となる節税対策をまずは今月内に手配されること推奨いたします。

● 4-6 月のスーパーを 6 月末までに支払う
Bpay や会計ソフトからの支払い手配で支払い済みと認識されるのに、数日タイムラグがあるので、早期年金払いされる場合はギリギリとならないよう遅くとも 6 月 20 日頃までにお支払い手配しましょう。

● 事業主様の追加年金積立 (Concessional contributions)
強制積立年金と合わせ年間合計$25,000 以内は、追加積立&会社の経費として控除可能。

● スタッフにボーナスの支給
注意:ボーナス賞与には年金払いが義務づけられておりますのでそちらの年金も今年度払い出しされたら経費控除可能となります。

● Director Fee(役員報酬)の計上
年度末に役員報酬を計上した場合、例え支払が 7 月以降になったとしても、役員報酬自体は 2021年度中の損金として計上することが可能となるので、節税に役立ちます。

● 回収不可能な売掛金:損失確定

売掛金債権が、既に 1 年以上経過し到底回収の見込みがないと判断された債権はロスとして確定できます。

● 在庫を絞りこみ
特に卸業など在庫を常に抱えながら定期的にしっかり正確在庫額を把握している事業においては、年度末に向けてストックセールや必要最低限の仕入れによって 6 月末時点の在庫を減らすことで、粗利を抑えることに繋がります。

● 売上の請求書は 7 月以降にずらす
もし先方の顧客との間で調整可能であれば、売上のタイミングをずらす。

● 支払いの請求書は 6 月に前倒し・経費の前払い
レント、広告費や保険料など可能であれば、早めに請求書を出していただき払ってしまうのも一策です。たとえば、レント代1年分まとめ払いなどかなり大きな費用計上につながります。特に当年度が利益が例年になく出てしまっているといった場合は、こういった一時的な前払いに節税策は効果的です。

③ 例年にはない限定的に認められている今年度で可能な節税策

A ) 資産一括経費計上
年間総売上高が 5 ビリオンドル未満の企業は、2020 年 10 月 6 日から 2023 年 6 月末までに新た
に取得した減価償却可能な(リース Improvement、物件のストラクチャーに関わるような改築等
除く。車 (一括償却可能だが上限あり。当年度 21 年度は 59,136 ドルまで。来年度 2021-22 年度
は 60,733 ドルまで) 資産において取得価額に関わらず、最初に使用した年度又は使用可能とな
った年度において全額一括損金計 上(経費計上)することが可能です。
資金繰りに余裕があり、また近い将来的に資産購入する予定があれば、前倒しで今年度末 6 月末
までに大きな資産購入のお買い物をされた方が断然節税対策に繋がります。

B ) 減価償却法の節税効果のある加速償却法の適応
◆ Accelerated Depreciation Turnover less than $500m – 2020 年 3 月 12 日から 2021 年
6 月 30 日までに取得した上記 A) 以外の資産で、加速償却法(償却期間の初期に多額の減価
償却引当金を残し, 後年度に減額していくこと)が認められている資産にへ適応。

C ) 中小企業(年間売上高-50 ミリオン未満)は、以下の Small Business concessions のルールが適応対象となります。 例年は年間売上高 10 ミリオン以下の企業対象だが、当年度まで有効!

◆ Simplified trading stock rule ʷ 在庫計上の簡易計上法適応
◆ PAYG Instalments concession ʷ 法人税の前払い割賦払いのレートは前回のタックス・
リターンの情報をもとに固定額で支払う。ご自身で毎回のBASで計算不要。
◆ Excise Concession ʷ アルコール、タバコ、ガソリンなどの物品税の定期的な申告義務を
週単位から月単位に切り替え可能。

④その他、中⾧期的な節税対策

● 会社のストラクチャー、個人資産形成も含めた見直し
事業主様の個人資産ならびに、現在の会社のストラクチャーを見直しされることも節税対策に繋がる可能性がございます。例えば株式会社での法人税レートは 26%ですが、個人所得(個人事業主)は累進課税で、大きな違いがございます。その他、ストラクチャーにより、税率の違いから節税対策に繋がるケースがありますので、ちょうど年度末前にレビューされるのがよいタイミングかと存じます。

● 信託会社(トラスト)を保有される事業主➢最高限界税率を回避のため

今年度内に信託会社は、信託受益者 (Be ne ficiary)への収益の流れについて、決議に応じ明確に記した書類整備を整える必要がございます。信託会社は今後、その収入の流れに関し査定される可能性があるため、最高限界税率を回避するためにも、もし未作成であれば早急に、信託会社の決議文章を今一度確認いたしましょう。

● 社用車のログブック記帳の更新
ログブックを正しく記録を残すことで、より社用車に掛かる経費を最大限正しい金額に基づいて控除するこ
とに繋がります。

● 既存のビジネスの将来的な Exit プラン(売却戦略)の計画
将来的に貴方の事業売却をお考えのようでしたら、売却時の評価額や、その際の資産売却益にかかるタックス影響してきますので、お早めにご計画されることを推奨いたします。

以上、今年度末時点での、節税対策をご案内させていただきました。
個別ご相談はいつでもお気軽に弊社までご連絡ください。
皆様の来年度に向けてのさらなるご発展を心よりお祈り申し上げます。