オーストラリア、シドニーのファイナンシャル・プランニング、税務会計

節税対策

節税対策

税理士としての知識と経験を基にあらゆる面から節税に関するアドバイスをいたします。株や投資信託からの配当金や不動産投資、戦略的なスーパー・アニュエ―ションへの積立てなど節税効果の高い資産運用を利用して合法的に節税できる方法を検討いたします。

個人向け

  • 個人の所得税
  • 有利な年金積立
  • 株などの配当金
  • 不動産投資とネガティブギアリング

ビジネスオーナー向け

  • 売上の繰延
    売上を翌年度の7月以降に計上することで今年度の課税所得を減らせます。
  • 経費の前払い
     広告費や家賃などの経費を向こう12カ月分まで前払いすれば今年度の利益を減らせます。
  • 回収不可能な債権を不良債権処理する
    定期的に売掛金を精査して回収見込みのないものは不良債権として経費計上することで税金を抑えられます。
  • 3万ドルまでの資産の一括計上 (2022年6月30日までは特例で15万ドルまで可能)
    6月末までに買替やアップグレードを検討しているオフィス機器や機械を購入して課税所得を減らせます。
  • 6月末までにスーパーを支払う
    通常4〜6月までのスーパー・アニュエーションは7月に支払われ、経費計上できるのは翌年度となりますが6月末までに事前に計算し支払いを済ませることで今年度分として経費計上できます。
  • 個人積立年金として2万7,500ドルまで積み立てる
    2万7,500ドルまでは経費として個人積立年金を計上できます。ただし9.5%の雇用主の強制積立も含まれますので注意ください。
  • ビジネスの売却益
    スモールビジネスの場合にはビジネスの売却益に対して優遇税制があります。非常に複雑なので事前にご相談下さい。

配当とフランキング・クレジット

オーストラリアでは、配当される法人利益に関して2重課税とならないよう、インピュテーション制度が設けられ、法人が納めた法人税はフランキング・クレジットとして配当に付され、配当を受け取る株主の納税額と相殺することが可能です。もし納税額がない場合には還付を受けることも可能です。
下記が雇用所得7万ドルの方と5,000ドルの方が 同じ7,000ドルを配当と利息 で受け取った場合の計算となります。

雇用所得 70,000ドル の例

雇用所得 70,000 70,000
配当 7,000
フランキング・クレジット(配当時に現金では受取れません) 3,000
受取利息 7,000
課税所得 80,000 77,000
所得税 17,547 16,572
メディケア税 1,600 1,540
合計 19,147 18,112
フランキング・クレジット (3,000)
納税額 16,147 18,112

同じ7,000ドルでも配当金として受け取る方が3,000ドルのフランキング・クレジットの分だけ課税所得は増えますが納税額と相殺され1,965ドル低くなります。

雇用所得 5,000ドル の場合

雇用所得 5,000 5,000
配当 7,000
フランキング・クレジット(配当時に現金では受取れません) 3,000
受取利息 7,000
課税所得 15,000 12,000
所得税
メディケア税
フランキング・クレジット (3,000)
納税額 3,000

この場合は7,000ドルを配当で受け取っても利息で受け取っても所得は非課税内となり納税はありませんが配当に付随するフランキング・クレジットの3,000ドルはそのまま還付となります。

定期預金などの利息に関しては全く節税にはつながりませんが株や投資信託の場合には配当とフランキング・クレジットのため節税効果が高いと言えます。またオーストラリアの配当利回りは平均で4%を超えていますしこのフランキング・クレジットも合わせれば6%近くとなります。

不動産投資とネガティブギアリング

株や投資信託などへの投資に不安を覚える日本人の方は多いと思いますが不動産への投資に積極的な方は少なくありません。日本のバブルと同じと言われながらも高騰を続けるシドニーの不動産価格。2019年に入ってからは少し落ち着きましたが、長期的なキャピタルゲインへの期待に加え、歴史的な低金利と節税効果のため魅力的な投資選択の1つといえます。
不動産投資の課税所得がプラスであればポジティブギアリング、マイナスであればネガティブギアリング、プラスマイナス0の場合にはニュートラルギアリングと言われます。一般的に言われている節税効果の一因となっているのがこの中のネガティブギアリングです。簡単に言えば不動産投資によるマイナス分、個人の課税所得を減らすことで所得税を減らせるということです。

  • 不動産投資において控除可能な経費は主に下記の通りです。
  • 支払利息
  • 借入費用
  • ストラタ(管理費)
  • カウンシル
  • 水道代
  • 修理費(購入後1年以内の修繕はキャピタルとみなされ控除はできません)
  • 不動産会社への代行費用
  • 土地税
  • 備品

この中でも金額的にも大きい減価償却はなかなか理解するのが難しいです。簡単に言えば車などと同じように不動産も購入した時点から価値が減少していくため、その目減り分は実際に現金などでの支払いをせずに税控除できるということです。
この減価償却はBMTなどの専門業者によって作成された減価償却表(Depreciation Schedule)を基に控除されます。費用は作成時に700ドル前後かかりますが一度作成すれば通常30年間有効でこの費用はもちろん税控除となります。減価償却による節税額によってほとんどの場合、1年目で回収できてしまいます。

ちょうど先日ご依頼いただきましたお客様のケースを例に説明いたします。

この方は、年収10万ドル以上の収入でQLDに40万ドルの新築タウンハウスを頭金10%で3年前に購入されました。2016年度と2017年度のタックスリターンでこの不動産からの収入を申告しましたが忙しいことと以前の会計士からの説明不足で減価償却表を取得していませんでした。
2018年度の申告依頼を弊社が承り、減価償却補表作成をお奨めさせていただいたところ、1週間後にメールで送られてきました。この減価償却を申告し修正した詳細は下記の通りです。

不動産投資における減価償却の節税効果

給与のみ 投資物件購入
減価償却なし
投資物件購入
減価償却あり
給与所得 100,000 100,000 100,000
家賃収入 20,000 20,000
不動産経費:
借入費用 300 300
支払利息 12,000 12,000
管理費 2,000 2,000
水道代 736 736
市役所税 1,819 1,819
庭の手入れ 294 294
保険 371 371
不動産管理費 1,655 1,655
文房具/郵送費用 120 120
交通費 720 720
銀行手数料 150 150
減価償却 12,000
経費総額 20,165 32,165
不動産投資からの収支 0 165 12,165
課税所得 100,000 99,835 87,835
納税額 24,947 24,886 20,446
メディケア税 2,000 1,997 1,757
納税総額 26,947 26,883 22,203

この方の場合には新築物件のため減価償却の金額も大きくなり、課税所得も10万ドルを超えており個人の所得税率も高いため、かなり有効に節税の恩恵を受けられる投資となりました。

減価償却を申告しない場合、損失はほとんどなくニュートラルギアリングだったのですが、修正申告後、1万2,000ドルの損失となり年間4,680ドルの還付となりました。

2016年度と2017年度のタックスリターンの修正申告も併せて行いATO(オーストラリア国税局)からの還付額は3年分で1万5,000ドル近くになりました。
この減価償却は新築物件だけではなく中古物件でも可能です。作成費用以外は現金による支出がないにもかかわらず、大体のケースで少なくとも数千ドルの控除ができます。

ネガティブギアリングは他に控除できる給与所得や配当収入や受取利息などからの収入があり、納税となる場合には有効となります。

今回の方が幸運だったのはATOが定めている期限に間に合ったことです。ATOが認める修正申告でさかのぼれる期間は納税通知書の発行日から2年と定められており、この方は2016年に購入されていたのでぎりぎり間に合いました。

投資物件をすでにお持ちの方、またはこれからの購入を検討されていてもっと不動産投資と節税効果を詳しく知りたい方はぜひ弊社に一度お問い合わせください。

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