投資
資産形成
今現在、どのライフステージにいるとしても、将来の目標達成のために資産形成は欠かせないものでしょう。
投資を実際に始めるには?
投資運用の名義を決める
名義を決めることは税金の面と資産保護の面で特に重要となります。例えば定期預金などは専業主婦の場合にはご主人名義、もしくは共同名義で持つよりも奥様名義で持つ方が18,200ドルまでは無税となりますので有利です。
逆にネガティブギアリングで投資をする場合にはなるべく所得の高い方の名義にすることによって節税効果が上がります。
またビジネスオーナーは個人名義で資産を保有することによって、訴訟などがあった場合には個人資産までリスクにさらすことになります。そのため、ビジネスに関係のない配偶者やファミリートラスト名義で資産を保有することで資産保護となります。
投資額を決める
スーパー・アニュエーション以外の投資に関しては必要な時にはすぐに解約できるものが多いものですがマーケット価値が下がっている時の解約を避けるためにも生活に無理のない範囲で毎月の積立額を決めましょう。老後資金の形成などには長い時間がかかります。なるべく早い年齢から積み立てを始めることによって時間を味方につけることができます。
リスク許容度とポートフォリオを決める
安全な運用方法
定期預金
日本でもおなじみの定期預金ですがこちらでは日本よりは金利がかなり良いですが昔に比べるとだいぶ下がって、今では2~3%となっております。早期解約をする場合にはペナルティがかかるのが一般的です。
債券
債券は、国や大手企業が投資家から資金を借り入れるための有価証券です。債券にはそれぞれ5年、10年など満期が定められており、その期間決められた利子が支払われます。満期時には額面全額が払い戻されます。
成長の見込める運用方法
株式
株とは証券会社を通じて会社の株式を取得して株主になることです。この株式の持ち分に応じて配当金などの利益配分が期待できます。また購入時より売却時に値上がりしていれば売却益(キャピタルゲイン)が生じ、課税されることがありますが逆に値下がりして売却損となる可能性もあります。オーストラリア特有のFranking Creditを利用することで節税対策にもなります。
投資信託
自分自身で運用する株とは違い、投資会社のプロに株式、債券や不動産などの運用先を完全に委託し、運用の成果から生じた利益を投資家に分配金として還元する商品です。
日本とは違い、オーストラリアでは手数料が低いため、大変人気のある金融商品です。
特にインデックスファンドと呼ばれる商品は株価指標を表すインデックスと連動した運用手段で、シンプルなため手数料をかなり低く抑えることができます。全額、もしくは一部解約はいつでもできますので長期的な積立に最も向いている商品の1つです。株式で運用された分はFranking Creditを利用して節税につなげることが可能です。
不動産
ユニットや一軒家などの居住用不動産から商業物件までさまざまな運用先があります。購入時には印紙税や弁護士関連費用、売却時には不動産仲介業者への手数料などコストはかかりますがレバレッジを生かすことで不動産価格高騰時には大きなキャピタルゲインが見込めます。また新築物件購入時などは特に減価償却を利用したネガティブギアリングで節税効果も期待できます。
ドルコスト平均法
マーケットに入るタイミングを分散しましょう。例えば1万ドルを全額、株価が100ドルの時に投資して1年後に株価が90ドルになっていれば1,000ドル損しますし110ドルになっていれば1,000ドル得をします。
これを例えば半分に、5,000ドルを100ドルで購入、1年後に残りの5,000ドルと分けることでリスクを分散することができます。
毎月1,000ドルの積立を30年間続けて5%のリターンで運用することで資産は832,258ドルとなります。同じ条件で20年なら411,034ドル、10年なら155,282ドルとなります。
マーケットリスク
100年に1度といわれるリーマンショックのようにマーケットが暴落した時にはどうすればよろしいでしょうか。
例えば10万ドルだった株が5万ドルに下がったとします。一部のお客さんは実際にこの時点で売却して5万ドルの損が確定されました。これが最悪の対応です。
次はかなりのストレスを抱えながらも長期的な運用だからと我慢して保有し続けた方は2019年現在、ほぼ同じ水準まで回復して胸をなでおろしています。
また、この下がった時に買った方は半額の株価で購入し今は2倍となっています。
このことから言えるのはマーケットが下がったから売るとのではなく、どんと構えたスタンスでいることをお勧めします。毎月など定期的な積み立てをすることによって長期的な目的で分散された投資であることを忘れずマーケットの動きに一喜一憂しないようにしましょう。
節税対策
税金を減らす
ほとんどの方は収入に対して毎年いくら税金を払っているのかよく理解していません。例えば年収8万ドルの方はメディケアを含めれば毎年2万ドル近くの税金を納めることになり、30年間では60万ドルとなります。
そこで下記の節税につながる点を考慮しましょう。
- 仕事関連のレシートはすべてとっておき、経費として税控除する。
- サラリーサクリファイスを検討する
- 不動産購入や投資を始める前に名義に注意する
- サラリーパッケージを検討する(特に非営利団体や公立病院に勤務されている場合)
- フランキング・クレジットやネガティブギアリングなどの節税効果のある投資をする
- 100%経費として控除できる所得補償の保険に加入する
スーパー・アニュエーションを増やす Transition to retirement (TTR)
最近ではリタイアが近づくにつれて勤務時間を減らし、余暇などを楽しみながら社会とのつながりを保つ方が増えてきています。その際、少なくなった給与所得では生活ができないことを防ぐために、今まで積み立ててきたスーパーで補填することができます。
また給与次第では節税とスーパー内で資産を増やすチャンスにもなります。詳細はこちら(?)をご覧ください。
キャピタルゲイン税を減らす
キャピタルゲイン税は株、不動産やビジネスなどの資産を売却して利益が出た場合に適用されます。
保有期間が12カ月以内の場合にはその売却益の100%が課税対象となりますが12カ月以上保有していれば50%は免除されます。
売却益がある以上、キャピタルゲイン税を避けるのは難しいかもしれませんが戦略次第では最低限に抑えることは可能です。
特に重要なのはどんな時にキャピタルゲイン税がかかるのかを事前に理解して資産を購入する前に誰の名義で購入するかを考えることです。例えば個人名義で購入した不動産をあとで節税目的の為、Self-managed super fund(SMSF)に名義変更する場合には印紙税を支払うことになってしまいます。そのため、最初から利益が出ることを想定して個人名義、共同名義、トラスト、会社やSMSFなどの中から一番有利となるものを選びましょう。もちろん節税対策だけではなく資産保護という点でも考慮が必要となります。キャピタルゲイン税は非常に複雑なため、売ってから高額な課税通知書が来てこんなはずではなかったということにならないようまずは専門家に相談しましょう。